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「原口畑」のプティ・マンサン100%で造られるシングル・ヴィンヤードのオレンジワイン。収穫日は2021年11月8日。アルコール度数12.5%、総酸度5.9g/l、pH3.7、樽比率100%(古樽)、ボトリングが23年3月16日、生産本数は590本。
製法としては果皮浸漬によって造られる所謂「オレンジワイン」と言われるジャンルではありますが、実際の色調はむしろ一般的な白ワインに近い濃いめの黄金色で、味わいに関してもオレンジワイン的な個性はかなり控えめで、良くも悪くも言われなければ「普通の白ワイン」として素直に楽しめてしまう傾向にあります。全体像としてはスッキリと纏まった綺麗なスタイルで、細身ではあるものの凛とした姿とコアのエキス感がプティ・マンサンのポテンシャルの高さを感じさせます。果実味の豊かさと酸のバランスも良好で、ややバター感のあるリッチな風味やシトラスのニュアンスなど、構成要素としては意外と多様性がある印象です。表層がやや軟質と言えなくはないものの、それでもコアの硬質感からすると表層が厚めだからこそ結果として柔らかめに感じるとも言え、どちらかというと余韻の早めの収束感の方が相対的には気になるかもしれません。
純粋なオレンジワインとして捉えた場合は正直肩透かしを食らってしまう印象ではありますが、それでもプティ・マンサンという葡萄のポテンシャルをしっかりと現実的な形で具現化した綺麗な仕上がりなのは確かなので、生産本数の少なさから来る入手性の問題さえクリアできればかなり面白い選択肢になりそうです。
(2025/04)