- Good Quality -
3つある畑から「生居畑(52%)」と「樽下畑(48%)」の2箇所のカベルネを選び、長期熟成可能なワインというコンセプトでカベルネ・ソーヴィニヨン100%のキュヴェが造られています(他のキュヴェはブレンド)。収穫日は21年10月29〜30日、11月4〜6日。アルコール度数12.4%、総酸度4.4g/l、pH4.0、ボトリングが23年5月11日、生産本数は1,195本。葡萄を選別後、野生酵母で発酵、100%古樽で熟成し、約2年間の瓶熟を経て2025年3月17日にリリース。
色調はかなりしっかりしていますが、ボディはかなり軟質で骨格を感じるようなことは一切なく、一般的なカベルネのイメージに反する突出した柔らかさが大きな特徴となっています。反面、カベルネらしい明快なメトキシピラジン由来のグリーン系ハーブ風味がハッキリ感じられますが、口当たりの良い甘味を生かすような残糖感ある仕上がりになっていることもあってか、意外と全体的なバランスは取れているようにも感じられます(あまり経験したとのない不思議な世界観ではある)。確かに極度の軟質ボディではありますが、それでも一般的な日本の赤ワインよりも色調や凝縮感に関して意識的に引き出されたような印象でもあり、良質なカベルネが収穫できたという2021年ヴィンテージの恩恵を程よく感じられののは確かです。
(2025/04)