- Good Quality -
12ヶ月の新樽熟成後にボトリングされるオチガビワイナリーの「ピノ・ノワール」ですが、ボルドータイプのボトルに入っているということからもある程度想像できますが、一般的な日本のピノのイメージとはやや異なるスタイルに仕上がっています。
色調は濃くしっかりしていますが透明度そのものは高く、エッジにかけてややオレンジがかっているので初見の印象だとネッビオーロのような印象を受けます。香り高く甘い香りが広がり、全体を通してやや抽出が強めで収斂感も出ているので、比較対象としてはニュージーランドのようなニューワールドのピノに近いスタイルになっています。それでもボディの厚みや凝縮感は比較的穏やかで(骨格感はない)、この辺りが日本のワインらしい要素と言えるかも知れません。少し軟質傾向にあり、どちらかというと甘味が濃縮還元的なことや、さらに相対的にやや価格が高めなのも気になりますが、それでもピノと言えばエレガント系が多い中、しっかりとした酒質を狙って仕上げてくるというのは差別化という観点としては面白い選択肢だと言えそうです。
(2025/02)