- Good Quality -
バルバレスコのクリュ「リッツィ」の丘の上に醸造所を構えるカンティーナがこの「リッツィ」。クリュの名前をそのまま造り手の名前にしているだけあり、このリッツィがフラッグシップ的なポジションを担っています。
テクスチャはクリーンでフラットな傾向にあり、艶やかで程よく冷涼感のある表情はどことなくキャンティ・クラッシコにも共通する質感ではあります。エキスの凝縮感は十分ですが、やや糖質的な甘みがあり、後味にかけてネッビオーロらしい豊富なタンニン由来のドライな渋みと苦味が広がります。全体としてはバルバレスコらしい落ち着いた軽快さを基調とした立ち振る舞いで、決して重くはならない仕上がりが現代的な表情でもあり、口当たりの良さがキープされているので現時点でも十分楽しむことは可能ですが、それでも内包するタンニンは豊かなので、ドライな収斂感が穏やかになるのを待つなら、余裕を持って10年以上の熟成が必要と言えるかもしれません。
(2024/11)