- Recommended -
「ヌマンシア」でお馴染みのエグレンファミリーが2007年にトロで興したワイナリーがこの「テソ・ラ・モンハ」。ラインアップの中では最も手軽なレンジに位置する「ロマニコ」は、トロの土着品種「ティンタ・デ・トロ(テンプラニーリョと同品種)」100%で造られます。畑の標高は750〜850m、熟成はフレンチオーク樽とタンクで6ヶ月間。
トロらしい熟度の高い凝縮した果実の魅力がストレートに伝わり、14.5%と言う高めのアルコールにインクのニュアンス、そしてバランスの取れた酸を保ちながら、全体としては現代のワインらしく軽快で一切の重さを感じない気軽に飲める素直な美味しさを実現しています。糖度の高さと軽やかな立ち振る舞いからか、口当たりの良さが強調され、高アルコール系由来の飲み疲れするような要素が特にないこともあってか、気軽に日常でスルスル飲めてしまう魅力があります。酒質はかなり安定していて総じて現代的な造りではありますが、葡萄そのものの凝縮感のおかげもあってか、工業製品的な人為感はあまり前面に打ち出されていないので、結果として受ける印象はポジティブな傾向にあります。ある意味、ナチュラルな系譜のワインとは対極に位置するスタイルではありますが、それでも技術的な進歩を一層感じるクオリティレベルなのは確かなので、昨今の為替の状況下においてこの日常価格をキープできているのであれば、そのコストパフォーマンスはかなり高いと言えます。
(2024/11)