- Good Quality -
色調はピノとしてはやや濃い目で、見た目の印象通り抽出がしっかりとしていることもあり、コアには一定の凝縮感が感じられます。とはいえ、ボディそのものは比較的軽やかで、酸が主体になっていることや、軋みを伴う硬い表情がベースになっている点、そして控えめな果実味といったことなどから、あまり一般受けするような分かりやすいタイプのピノではないとも言えそうです。立ち位置としては、比較的早くから気軽に飲めるようなキュートな印象ではありますが、それでも本質的な表情の硬さがやや気になるので、1〜2年程度待ってから飲んだ方がより良い結果が得られる可能性もありそうです。
一定の水準に到達している一連の白ワイン群とは異なり、赤はまだまだこれからと言った印象でもありますが、それでも基本的な造りは広島三次ワイナリーらしい安心感があり、しっかりとした抽出から来る凝縮感のおかげである程度の熟成にも耐えられそうなので、将来性に期待しつつも、まずは現時点における広島三次ワイナリーのピノ・ノワール像を確認しておきたい人向け、と言ったところかもしれません。
(2023/12)