- Very Good Quality -
少量生産を貫き、あくまでも品質とクリュの表現を重視し、農民としてのアイデンティティを堅持する造り手がマリオ・マレンゴ(現オーナーはマリオの息子マルコ)。バローロを代表する著名なクリュ「ブルナーテ」の中でも、マレンゴは最も優れた区画を所有するとも言われていて(土壌は石灰岩を多く含む泥灰土)、1947年と1957年に植樹された平均樹齢70年の古木で造られています。
同じヴィンテージのブリッコ・デッレ・ヴィオーレよりも凝縮感やエネルギーを感じる傾向にあり、全体的により長期熟成型になっています。果実は黒系よりで、細身の酸にしっかりとしたアルコール感(14.5%)、そしてこれぞネッビオーロとも言える豊富なタンニンが相まって力強い表情を形成しています。純粋なスケール感はそこまで大きくはないものの、緻密さと堅牢さに優れ、葡萄の出来が良かったこと素直にが伝わってきます。表層的には瑞々しい流麗さがあるものの、後味にかけて口中に渇きを生じさせるドライなタンニンが広がり、要素の充実さを実感できる反面、全体的なバランスとしてはやや難しい側面があるものまた事実です。今でも十分楽しめる状態ではありますが、タンニンレベルを考慮すると純粋な寿命としてはかなり長命で、今後も数十年単位で熟成可能といった印象でもあります。
(2023/11)