- Very Good Quality -
少量生産を貫き、あくまでも品質とクリュの表現を重視し、農民としてのアイデンティティを堅持する造り手がマリオ・マレンゴ(現オーナーはマリオの息子マルコ)。スタンダードのバローロは1999年に植樹されたラ・モッラにある新しい畑「ボイロ」「セッラデナーリ」「ロンカリエ」「フォッサーティ」という4区画のブレンドで造られています(区画毎に醸造して後にブレンド)。
優れたヴィンテージということが具に伝わる、粘度の高さを感じるトロミと甘味がコアにあり、タイトな酸や強めの苦味とうまく共存しています。内包する要素そのものは強固ですが、お茶を感じるニュアンスもあり、程よく熟成感が出てきているのでまさに今が飲み頃といった印象でもあります。
翌日以降に持ち越すとボリューム感がかなり落ち着き、酸と苦味の要素がやや目立つようになります。流石に甘味は影を潜める傾向にありますが、それでも一定の旨味要素は感じられるので、大きくバランスが崩れるということはなさそうな印象でもあります。とは言え、時間の経過とともに古典的なバローロらしい厳格なスタイルが主軸となっていくので、分かりやすい美味しさを求める場合はやや注意が必要かもしれません。
(2023/10)