- Good Quality -
角の取れた丸みのある柔らかい質感で、特に突出した要素がなく、全体を通してうまくバランスが取れていることもあってか、特別品種の個性が感じられるような仕上がりにはなっていません。とは言え、現代基準の手頃な価格帯のワインらしく、ボディには十分な充足感を持ちながら、酒質そのものはサラッと軽やかなのが印象的で、アタックから口当たりの良い甘みが感じられることもあってか、かなり飲みやすい傾向にあります。ややゴワっとした質感ではあるものの、清涼感を伴う酸が感じられ、後味にかけてカベルネらしいハーブ感やタンニンが優しく伝わる傾向にはありますが、それでも全体像としては非常にニュートラルで素直な世界観だと言えそうです。
流石にワイン単体で嗜むようなタイプではないものの、それでも突出した要素や際立つ癖、さらには好みが分かれそうな個性がある訳ではないので、日々の食事とともに楽しむという用途であれば非常に高い満足感が得られる印象です。日常的な用途であれば十分高いコストパフォーマンスを発揮してくれるので、安定して有用な存在感を発揮してくれるのではないでしょうか(おしゃれなラベルの見た目も良い印象)。
(2023/01)