- Good Quality -
18世紀にイタリアとアメリカで活躍したマッツェイ家の先祖「フィリップ・マッツェイ(1730-1816)」に敬意を表し、マッツェイが所有する2つのワイナリー「カステッロ・ディ・フォンテルートリ」と「ベルグァルド」のカベルネ・ソーヴィニヨン(畑の標高は50〜310m)をブレンドした特別キュヴェ。熟成はフレンチオークとアメリカンオークの225リットルの樽で18ヶ月(新樽比率は30%)。
アタックはかなり明確に「酸」にスポットが当たっていて(総酸度5.44%)、紫系のニュアンスに梅紫蘇のような風味が広がる、不思議とサンジョヴェーゼ的な雰囲気を感じる表情なのが印象的です。同時にかなりタニックな傾向にあり、現状ではやや苦味が先行する傾向にあります。とは言え、翌日に持ち越すと当初際立っていた酸と苦味が驚くほど綺麗にボディに打ち解け、明確な個性として表情を形成しつつも、決して突出することのない適切なバランス感覚で上手く昇華する傾向にあります。タンニンそのものはしっかりしているものの、甘みを感じる質感と言うこともあってか意外と受け入れやすく、高い密度と熟度を感じる妖艶さを持ち合わせながらも、全体像はむしろ軽やかで流麗さを醸し出すあたり、まさに現代的な造りを非常に敏感かつ繊細に実践している印象です。
抜栓日よりも明らかに翌日の方が良好で、カベルネの持つ本来のポテンシャルがしっかりと形成されていることもあり、時間とともに尻上がりに印象が良くなっていくのでじっくり向き合うことをお勧めします(短時間で判断すると過小評価してしまう可能性も)。
(2022/08)