- Good Quality -
長野県原産地呼称管理制度認定ワインで、使用されているメルローは、千曲川の左岸、長野県の東御市八重原地区の自社畑で栽培されています。セカンド・ヴィンテージとなる2019年の生産本数は僅か1,187本のみ。
事前の想像よりも一段上の纏まり感があり、抜栓直後からバランスの良い良好なメルロー像が素直に展開される傾向にあります。気になるような青みは一切なく、表層は滑らかでボディには粘土質らしい一定の充足感があり、清涼感のあるハイトーン系の要素や酸など、総じて高い技術でコントロールされている印象で、そつのない中庸感は思いの外ポジティブな傾向にあります。とはいえ、基本素性やバランス感覚は良好ではあるものの、それでも時間の経過とともに徐々に資質の指向性が推移し、糖質系の甘味や若干のゴワツキなど、やや気になる側面が前に出やすくなるので、基本的にはグラス一杯のみで楽しんだり、抜栓後短時間で飲みきってしまう方がより良い満足感が得られそうな印象ではあります(時間をかけてじっくり向き合う系のワインではない)。
(2022/06)