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その表情は非常に鮮烈で、ソーヴィニヨン・ブランとも共通するような爽やかな清涼感がありながらも、フリウリのマルヴァジアらしいヒリヒリとした鋭角な辛味に白系の果実味が感じられ、品種やテロワールとしての個性を発露させながらも、同時にヴィエ・ディ・ロマンスという造り手に共通する「万人受けする明快な美味しさ」もしっかり打ち出しているのが印象的です。
終始ヴィエ・ディ・ロマンスらしいスタイルで、若干端的な要素が強めなのでエネルギーバランスとしてはやや抜栓日寄りな印象ではありますが、それでも小難しさや突出した個性が先行しがちなフリウリにおいて、ここまで明快な表情を堅持しているというのは、ある種一定の評価に値するとも言えそうです。表層的には爽やかでスッキリとした表情が主体となっていますが、それでもアルコールは14%と高く、ボディはかなりリッチで、正直ブラインドだと樽を一定比率使用している印象を受けますが、不思議なことに実際はステンレス発酵&熟成というのが非常に興味深いところでもあります。
相対的にやや価格が高めなので手放しに誰にでもお薦めできるわけではありませんが(基本的にはヴィエ・ディ・ロマンスのスタイルが好みな人向け)、それでも一般的に難易度が高めになりがちなフリウリのワインの中では、かなり分かりやすいスタイルになっているので、実際は意外と間口が広めな印象だったりもします。
(2022/06)