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「石の」という意味を持つ畑「フォン・シュタイン」から造られるリースリング。ちなみに「スマラクト」とは、「エメラルド色のトカゲ」という意味を持つ、ヴァッハウに置ける独自の格付けの中でも最高ランクに位置するものとなります。
流石にスマラクトを名乗るだけあり、コアには高密度の果実要素が感じられますが、それでも全体像としては思った以上にスッキリとシンプルに纏まっている傾向にあります。一般的なリースリング系ワインよりも体躯内部が緻密で、硬質感のあるキリッとした輪郭や鮮烈な酸、そして軽石や石灰を感じるミネラル系の要素がストレートに伝わり、その本質的な良質さは十分伝わってきます。
基本的には良好な表情を有しているので、ワインそのものが持つ良質さは具に伝わってきますが、それでもヴィンテージの影響もあるのか、余韻そのものが短めで、全体的に少し小ぶりに纏まっていることもあってか、どうしても小ぢんまりとした印象を受けるのが気になるところではあります。そういう意味では、同じスマラクトのグリューナーの方が遥かにお勧めしやすいのは確かですが、それでも純粋なクオリティとしては十分な水準にはあるので、コストパフォーマンスを気にすることなく上のクラスのリースリングを楽しみたい層にとっては、相応に満足できそうな印象ではあります。
(2022/06)