- Good Quality -
2011年に認定された比較的新しいDOCがこの「ローマ」。ポッジョ・レ・ヴォルピが手掛けるローマ・ロッソは2種類ありますが、こちらはより上位キュヴェとなる限定版の「エディツィオーネ・リミタータ」になります。セパージュはモンテプルチアーノ60%、シラー20%、チェザネーゼ20%。
コアは濃縮し、思ったよりもしっかりとした端的な甘味が感じられますが、清涼感のあるハイトーンな要素によってスッキリとした後を引かない飲み口なのが印象的です。アルコールも13.5%と意外と低めに抑えられている印象で、濃密な要素を感じながらも気軽に飲めるスタンスが新鮮です。とはいえ、全体的にやや表層が軟質で丸みがあり、どことなく薄められたような希薄さが漂うのが不思議なところで、充実感はあるものの、内包するエネルギー総量やパッケージングレベルなど、価格に見合うような「上位キュヴェらしい佇まい」が特に感じられないのがどうしても気になります。
翌日に持ち越すと、軟質な表層が解れてコアが表出する傾向にあり、結果として豊富なタンニン由来の苦味が目立つようになります。ある意味、抜栓日の印象以上にしっかりとしたポテンシャルを兼ね備えているとも言えますが、やはり全体的なパッケージングにまだまだ改善の余地ありといった印象でもあるので、ひとまず今後の進化に期待したいところではあります。
ちなみに、このエディツィオーネ・リミタータは、ルカ・マローニによる高評価だけでなく、ガンベロ・ロッソではトレ・ビッキエーリ、ビベンダではチンクエ・グラッポリと、いずれも軒並み最高の評価を獲得しています。
(2022/06)