- Good Quality -
山形県に本拠地を構える、2016年創業という新世代の酒蔵が「Wakaze(ワカゼ/若勢)」。そんなWakazeが2019年にフランスのパリに進出し、ヨーロッパ最大規模となる酒蔵「Kura Grand Paris(クラ・グラン・パリ)」を創立。そしてKura Grand Parisで醸されるWakazeのスタンダード・キュヴェとも言える「ザ・クラシック」の、2021年の夏限定版となるのがこの「にごり酒」。現行製品としては、スピンオフとして数量限定の「ザ・クラシック ニゴリ」がリリースされていますが、今回試飲するのはちょうど1年前に製造された旧版のニゴリになります(飲み頃温度は10度)。
にごり酒と言うこともあり白濁していますが、それでも澱の量が少なめと言うこともあり意外と透明度は高めです。味わいは非常にスッキリ、かつサッパリしていて、通常のザ・クラシックよりもかなり淡麗な印象を受けます。相対的に甘味も抑えられている印象ですが、反面、酸はある程度感じられることもあってか、軽快な爽やかさがより強調されている傾向にあります(まさに春から夏にかけてピッタリな雰囲気)。内包する各要素が穏やかと言うこともあってか、受ける印象は「清酒の風味を生かしたミネラルウォーター」といった感じでもあり、使用されている硬水のニュアンスがより明確に伝わってきます(アルコールも12%と更に控えめ)。
製造から時間が経っていることもあってか、通常のザ・クラシックよりも一段ピークが抜栓日寄りな傾向にありますが、それでもこちらの方がより素直に料理と合わせやすい印象で、終始素直に生き生きとした表情が伝わってきます(推奨通り冷蔵保存されていれば意外と表情の変化は少ない)。とは言え、流石に翌日に持ち越すとフレッシュさはほぼ感じられなくなり、甘味、苦味、酸味がやや立ち気味になりますが、それでも全体像が崩れることはなかったので、受ける印象は概ねポジティブな傾向にあります(日常飲みなら通常版よりもニゴリの方がお勧めしやすい印象)。
(2022/05)