- Recommended -
各畑の植え替えによって、樹齢が8年以下となった若木主体で造られるキュヴェですが、実際に使用されるネッビオーロは全てバルバレスコのエリアで収穫されています。マセラシオンを10日程度に抑え、早くから飲めるよう仕上げているものの、テロワールとしては純粋にバルバレスコとしてリリースされるものと全く同じになります。
同じ2016年のネッビオーロですが、直前に試飲したサンドローネのヴァルマッジョーレとは表情が根本的に異なるのが印象的です。やはりバルバレスコエリアで造られているというのが具に分かる、エレガントで軽妙な立ち振る舞いなのが特徴でもあり、ブルゴーニュのような流麗感が心地よく広がります(抜栓直後から豊かな香りが一気に広がる)。全体的に熟成段階がより一歩進んだ印象でもあり、魅力的な赤系果実には妖艶さが感じられ、リッチで密度のあるボディや高アルコール(14%)系の要素との一体感が、ストレートな美味しさとして飲み手に伝わります。2016年というヴィンテージの恩恵が感じられる充実した内容ですが、同時にブルーノ・ロッカらしい輪郭の硬さは健在で、熟成段階が一段階進んだ現状だと、ある種の素っ気なさよりも魅惑的な表情の方が優っているので終始ポジティブな印象を受けます(まさにちょうど飲み頃)。
(2022/04)