- Good Quality -
造り手の「アルタス」は、1996年にリオハのトップワイナリーでもある「アルタディ」が、ナバラ地方の伝統品種であるガルナッチャの可能性を追求するために始めたワイナリー。そしてこの「サンタ・クルス・デ・アルタス」の赤は、樹齢80〜100年のガルナッチャで造られる、アルタスを代表するキュヴェとなります。
全部乗せの中庸道を行くかのようなアルタディらしい世界観は維持しながらも、より質実でポテンシャル系の要素を色濃く反映させた良好な世界観が印象的です。相対的により甘味が強く前面に出る傾向にあったパソス・デ・サン・マルティンとは対照的に、しっかりとしたタンニンや酸によりスポットが当たる傾向にあり、その構成要素をじっくりと味わうことができます。アルコール度数も14.5%と、パソス・デ・サン・マルティンと数値上は同じですが、実際にはこのサンタ・クルス・デ・アルタスの方が一段増した迫力を感じます。翌日に持ち越すと、やや妖艶な要素を纏った果実の甘みが出る傾向にはあるものの、それでも全体像としては上位キュヴェらしい佇まいはキープしているので、価格差を考えるとアルタスの中では最もお薦めしやすいキュヴェと言えるかもしれません。
(2022/03)