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収穫後の葡萄を陰干しして凝縮させる「アパッシメント」を、収穫する前、樹上で30日間も行うという(つまりは超遅摘)独特の手法で造られるワインになります。
2016年から4年連続で98点(ルカ・マローニ)という高評価を得たキュヴェですが、中身のクオリティだけにとどまらず、圧倒的重厚感のある超ヘビーボトルの採用など、とても1,000円台のワインとは思えない水準で構成されている事に驚かされます。
やや紫系のニュアンスに、プラムを感じる濃縮したボディ、それでいて緻密で滑らかな酒質は、14%という高いアルコール度数を感じさせない軽やかさと瑞々しさを伴うもので、とにかくバランスの良いパッケージングの高さが印象的です。安易に凝縮感のある甘味だけに頼ったようなスタイルではなく、酸がしっかりしているのも特徴で、確かにやや彩度は高めでクリーム感もあるので、一見すると低価格帯のワインに見られるような安易なスタイルかと思いがちですが、それでも実際に受ける印象は終始ポジティブな傾向にあります。
ルカ・マローニから圧倒的な高評価を得るプリミティーヴォといえば、やはりジャンフランコ・フィノのエスが脳裏をよぎりますが、評価はほぼ同等でも、エスのように圧倒的エネルギーで押し切るようなタイプではなく、あくまでも万人に対して素直に訴求するような現実的なタイプなので、価格の手頃さからしてもグラン・マエストロの方がかなりお薦めしやすい印象でもあります。総じて2〜3倍ぐらいの価格帯のワインとも真っ向勝負を挑めるコストパフォーマンスの高さが印象的なので、普段日常的にこのレンジの価格帯のワインを飲んでいる人であれば、より一層の驚きがあるのではないでしょうか。
(2022/02)