- Very Good Quality -
ニュージーランドを代表するトップクラスの生産者「マウント・ディフィカルティ」が手がける、スタンダードレンジのバノックバーンシリーズのピノ・ノワールとなります。
14.5%とかなりの高アルコールで、ツンとした蒸留酒的な揮発系の要素はありますが、それでも完熟果実(やや過熟系)の豊かさと、充足感のあるボディを有しながらも、全体像としては程よく流麗な指向性をキープしているのが印象的です。高アルコール由来の迫力はありますが、それでも親しみやすく飲みやすい表情のおかげで、無理なく飲み進めることができます(とは言えアルコールに弱い方は要注意)。ニューワールドらしい豊かな果実味を持つピノではありますが、それでも良質なニュージーランドの生産者に見られる出汁的な甘旨味を一定量有していることもあってか、終始非常にポジティブな印象を受けます。
翌日に持ち越すと、熟した果実の妖艶な表情が前面に出る傾向にあり、思ったよりも熟成が進んでいる印象ではありますが、それでも果実以外の要素が力強くしっかりしていることもあってか、どことなく10年程度熟成させたモダンな造りのバローロのような表情が広がります(ある意味ピノらしくはない)。見方を変えると、やや玉石混淆と取れなくもない側面もありますが、それでも純粋なポテンシャルは非常に高いので、内包するエネルギーそのものは素直に評価したいところではあります。
(2021/12)