- Good Quality -
最初のヴィンテージの際に葡萄を提供してくれた生産者の名前でもある「ピーター」と「マックス」の両名をそのままキュヴェ名としていますが、現在はヘメル・アン・アードの内陸にある標高の高い2つの畑から造られています。当時と畑は異なるものの、複数の畑のブレンドで造るという点も含め、当時の哲学は今尚継続されています。
全体的にやや陰な傾向にあり、やや塵っぽいニュアンスを感じますが、それでも充実し凝縮した濃いめのボディに、黒系寄りの果実味、そしてバランスの良い酸が落ち着いた表情を生み出しています。価格帯からは想像しにくい充足感と密度感が印象的ですが、それでもボディそのものはかなり軟質傾向にあり(締まりが無い)、基本的な造りとしてはクラス相応といった印象でもあります。とはいえ、翌日に持ち越すとガラッと表情は変わり、当初気になっていた軟質ボディや塵っぽさはかなり軽減し、充実感のある要素を基軸とした豊かさがより前面に出るようになります。反面、苦味が強くなる傾向にはありますが、それでも抜栓直後の印象よりも遥かに高いポテンシャルを持っているようにも感じられるので、今からでも十分楽しめるものの、更に1〜2年程熟成させることで一気に化けるかもしれません(化けずにバランスが崩れる可能性もあるので実際には未知数)。
今回の印象ではポジティブな側面とネガティブな側面、両方を感じるやや不明瞭な印象でしたが、実は残念ながら今回はロット(流通経路)に若干の不安がある一本だったので、もしかするとそのあたりの影響も多少はあったのかもしれません。
(2021/11)