- Good Quality -
畑は「植ノ山畑」で樹齢は9年。収穫日は17年10月3〜5日。アルコール度数11.4%、総酸度6.2g/l、pH3.7、生産本数は1,300本。良質なシャルドネを選別後、除梗破砕しスキンコンタクトしてから搾汁。さらに別途全房プレスのキュヴェもブレンド。発酵と熟成は100%樽(新樽比率15%)で約12ヶ月間。ブレンド後にステンレスタンクに移して3ヶ月間熟成してからリリースしています。
色調は他のウッディファームの白ワインよりもやや濃いめで、抜栓直後は前面に打ち出される強めの酸が非常に印象的ですが、時間とともに充実感あるボディの方に焦点が移る傾向にあります。同社の他のシャルドネ主体ワインと同様にシンプルで端的な構成ですが、体躯内部は非常に緻密で、その表情には優しい熟成感が出ているものの、表層を薄く覆う外殻や、明確な酸を伴うシャープさによって、全体的には適度なフレッシュさが保たれている印象です。派手さはないものの、いたって質実なスタイルに仕上がっているので、時間をかけてじっくり向き合うほどに高い満足感が得られる傾向にあります。
他のウッディファームのワインと同様に、余韻は短めでスッと収束しますが、同時に程よいキレを生み出しているとも言えるので、食中酒としてはかなり使い勝手が良さそうな印象でもあります。ボトルの底には酒石酸の結晶が沈殿していますが、そこまで量は多くないので特に扱いは難しくなさそうです。流石に充実度や緻密度が高く、内包するポテンシャルとしては明らかに頭一つ抜けていますが、同時に価格帯も同社の他の白ワインよりもかなり上の水準に位置しているので、純粋なコストパフォーマンスとしてはやや分が悪いかもしれません。それでも訴求力は十分高いので、価格を度外視して一本のみ選ぶとしたら、このプライベートリザーブはかなり良い選択肢になりそうな印象です。
(2021/09)