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ピノ・グリはワイナリーから一望出来る南斜面の畑で栽培され、樹齢は6〜22年。ボジョレー・ヌーヴォーで一般的な醸造法でもあるマセラシオン・カルボニックや、全房圧搾、樽熟成、野生酵母による発酵など、様々な醸造法を一部で取り入れ造られるのが特徴です。
しっかりとした飲みごたえのあるピノ・グリで、全体像としては、以前試飲した2016年と同じように品種の個性よりも冷涼産地のテロワールと造り手としてのスタイルが色濃く反映されています。アルコール感がしっかりしていて(13%)、体躯のボリュームや豊かな果実味が主体となっていますが、それでも冷涼産地らしいクリーンかつ爽やかなスタイルなので、飲み口は非常にスッキリとしています(南国的なボリューム感とは対極)。
山﨑ワイナリーのアイテム中では最もポテンシャルを感じる仕上がりになっているのが印象的で、翌日に持ち越してもエネルギーが減衰することはなく終始高い訴求力を放ち、豊かなボリューム感は健在、それでいてテロワールを感じる引き締まったクリーンさも維持しています。バッカスのような親しみやすい系譜のワインから一歩進んで、より質実な世界観を堪能してみたい人にとっては、まさにベストな選択肢だと言えそうです。
(2021/09)