- Good Quality -
長野県上田市丸子地区の陣場台地で、自社管理畑として2003年にスタートしたのが「椀子ヴィンヤード」。6世紀後半にこの地域一帯が欽明天皇の皇子でもある「椀子皇子」の領地だったという伝説に基づき、椀子の名前が付けられています。また、2019年9月には、椀子ヴィンヤード内の小高い丘の上に「椀子ワイナリー」が誕生し、醸造に関してもこの新たな椀子ワイナリーで行われています。
2019年は、長梅雨と初夏の低い気温の影響もありましたが、8月の適度な雨と9月の好天で成熟が進み、結果として過去最高の収穫量となっています。発酵と熟成にはオーク樽が使用され(熟成期間は約5ヶ月間)、生産本数は約9,000本となります。
ややグリーンがかった黄色の色調で、全体的にはかなりスッキリとシンプルに纏まっています。ややボディが丸く、温度の上昇とともに緩む傾向にはありますが、時間の経過とともに一体感が増す傾向にあり、翌日に持ち越すことでグリーン系のハーブのニュアンスがより前面に出るようになります。ボディ内部には、仄かにナッツやバターなど、樽熟成したシャルドネらしい表情も垣間見えますが、それでも基軸となっているのはスッキリとした清涼感のある表情なので、リッチなスタイルのシャルドネとは真逆の世界観だと言えそうです。
(2021/07)