- Good Quality -
ワイン名の「トリロジー」とは、3品種、3地域、3年間の瓶内熟成、これらに共通する「3」という数字に由来し、瓶内二次発酵で造られる最高峰のスパークリングワインとなります。
2016年のセパージュは、長野県上田市椀子ヴィンヤードのシャルドネが64%、山梨県笛吹市産の甲州が22%、長野県産のピノ・ノワールが14%(北信地区産10%、椀子ヴィンヤード産4%)。ボトリングは2017年3月30日、デゴルジュマンは2020年1月30日で、生産本数は約1,000本となります。
色調はややアンバーがかった真鍮色で、日本ワインらしいスッキリとした綺麗な質感を有していながらも、樽を使用した酸化熟成系のシャンパーニュにも似たリッチで複雑な表情を兼ね備えたスタイルに仕上がっています。日本のスパークリングワインと言うと、どちらかと言えばフレッシュでシンプルなスタイルを想像しがちですが、そこをあえて複雑味を押し出す方向で仕上げているのが非常に興味深く、この固有の世界観は率直に印象に残ります。
抜栓日は熟成風味の主張がやや強めですが、時間とともに一体感が増す傾向にあり、翌日に持ち越すとかなり綺麗に昇華してくれる傾向にあります。現状でも十分納得できるクオリティを披露してくれますが、瓶内二次発酵の本格スパークリングとしては4ヴィンテージ目、トリロジーとしてはまだ3ヴィンテージ目と言うこともあり、将来的な可能性により大きな期待を抱きたくなります。
(2021/07)