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長野県原産地呼称管理制度認定ワインで、使用されているソーヴィニヨン・ブランは、長野県の東御市にある自社畑で栽培されています(2008年から栽培をスタート)。2019年の生産本数は僅か3,953本のみ。
クリーンかつすっきりとしたスタイルは、冷涼産地を感じさせる綺麗な佇まいですが、同じヴィラデストのピノ・グリを上回る鮮烈な風味が非常に印象的です。その表情はまさに「これぞソーヴィニヨン・ブラン」とも言える、明快な品種特性がストレートに出ていて、爽やかなグリーンの風味がベースにあるものの、温度をしっかり下げると青リンゴのようなサッパリ感が強調され、逆に温度を上げると、グレープフルーツのような色彩感のあるシトラス風味が強調される傾向にあります(トロピカルではないがリッチ)。
ピノ・グリと同様に、翌日に持ち越すことでさらに豊かな表情を見せてくれますが、抜栓直後から非常に際立ったインパクトの強い風味が広がるので、グラス一杯の短時間で終わるようなテイスティングであっても、かなり分かりやすく飲み手の印象に残る傾向にあります(ある意味コンテスト向け)。葡萄そのもののポテンシャルを感じるようなスタイルではないものの、高い技術力を感じる安定した完成度が魅力でもあるので、純粋なクオリティは総じて高そうな印象です。とは言え、かなりインパクトが強く、あまりにも鮮烈な表情が広がるので、根本的にソーヴィニヨン・ブランのワインが苦手な人は、無理せず避けたほうが無難かもしれません。
(2021/07)