- Good Quality -
長野県原産地呼称管理制度認定ワインで、使用されているシャルドネは、長野県の小諸市、東御市、上田市で栽培されています。2019年の生産本数は僅か3,076本のみ。
ヴィラデストの白ワインの中では少し手頃なポジションに位置していて、新緑を表すプリマベーラと名付けられていますが、その実像は想像するイメージとはかなり異なります。香り、風味ともに、焼酎を想起させる独特のニュアンスがあり、ヒリヒリと全体を引き締める辛味が印象的なスタイルとなっていて、特に抜栓直後はこの傾向が強く、ある種、幅広い層に向けた万人受けするようなスタイルとは真逆にある印象です(ツンとするアルコール感(表記は12%)がやや気になる)。とはいえ、かなり尖ったスタイルではあるもののポテンシャルは高く、クリーンかつ綺麗な質感は、シンプルながらも研ぎ澄まされていることもあり、十分納得出来る水準だと思います。
しかし、翌日に持ち越すと表情が一変、抜栓日に感じられた厳しさは一気に減衰し、内包するエネルギーを放出し終わったかのような佇まいと、なぜか力の抜けたソーヴィニヨン・ブランのような仄かな緑々しさが漂います。当初感じられた意外なポテンシャルの高さが、翌日になると抜け落ちる傾向にはあるのは若干気になりますが、その反面、かなり飲みやすくなるという側面もあるので、この表情の変化は意外とそう悪くないのかもしれません(判断がやや難しい)。
(2021/07)