- Good Quality -
2015年の春にティラージュ、その後36ヶ月間の熟成を経てデゴルジュマン、そこからさらに半年以上の瓶熟成を行いリリースされています。
2014年のセパージュは、余市のピノ・ノワール50%に、山梨県北杜市のシャルドネが50%。ちなみに翌2015年は、余市町登町で栽培されるピノ・ノワールのみを使用した、ブラン・ド・ノワールへと生まれ変わっています。
主にドイツ系品種を使用しシャルマ法で造られる「レガミ」シリーズとは異なり、この「キャメル」は国際品種を使用し伝統的な瓶内二次発酵で造られているだけあって、泡の質感はよりクリーミーで、ボディの豊かさや複雑味に特徴があります。全体像としては、北海道という土地のスタイルが色濃く反映された冷涼感あるスッキリとしたシャープなスタイルですが、既にデゴルジュマン後にかなり長い期間を経ていることもあってか、コアの表情には思った以上の熟成感が漂っています。世界観自体はレガミと同質なので、シャンパーニュというよりもフランチャコルタにより近い印象ではありますが、それでもこの優しく揺蕩う熟成感には、シャンパーニュの古酒に近い資質も感じられるので、スッキリとした瑞々しさの中にも意外な飲みごたえがあるとも言えます。
国際的なワインコンクールでも多数受賞していることもあり、日本のスパークリングワインとしては非常に良質なクオリティに仕上がっているので、熟成を経たこの2014年だけでなく、余市のテロワールをより反映させたブラン・ド・ノワールとなる2015年、そしてさらにその将来にわたって期待が持てる1本だと言えそうです。
(2021/06)