- Good Quality -
ユーゴスラビアから移住してきた「ブラコヴィッチ・ファミリー」によって1944年に設立されたのがこの「クメウ・リヴァー」。ワインメーカーでもある長男のマイケルは、ニュージーランド初のMW(マスター・オブ・ワイン)としても有名です。
ナッツのような風味がアタックに感じられますが、実際のボディはスッキリとした清涼感溢れるスタイルで、見た目も少しグリーンがかかった色調ですが、どことなくソーヴィニヨン・ブランのニュアンスが感じられる、ある種、ニュージーランドらしい仕上がりになっています。はっさくを想起させるシトラス風味も特徴的で、思った以上に酸がしっかりしている傾向にあり、奥底にあるバターのニュアンスなど、一般的なシャルドワインらしい要素を覆い隠しているような印象でもあるので、トータルで見ると「ソーヴィニヨン・ブランの皮を被ったシャルドネ」といったようなイメージを受けます。
美味しく飲める良好な白ワインなのは確かですが、指向性がやや端的な傾向にあるので、アメリカ型な切り口だと高い評価を得そうな印象ではありますが、その反面、奥ゆかしさや後ろ髪引かれるような余韻を求める層にはあまり訴求しない印象でもあります(とは言え、小難しさがないので、試飲で頭を使うのに疲れた時には最適かも?)。
(2021/04)