- Good Quality -
2014年は古典的なブルゴーニュらしさが反映されたヴィンテージですが、高いポテンシャルを誇るような圧倒的なスタイルではないものの、じっくりと向き合うことで非常に高い訴求力を発揮してくれる傾向にあります。
抜栓直後は、やや薄めのボディに、野ざらしの木材のようなニュアンスを伴う、やや強めの苦味が気になる傾向にあります(実際は新樽100%)。しかし、時間とともに尻上がりに良くなっていき、小一時間程度で非常に心地よく魅力的な表情を生み出してくれます。果実そのものはピュアかつクリーンで、赤系の小気味良いものとなっていますが、それ以外の要素が全体的に退廃的で、どこか古ぼけた雰囲気を持っているので、どうしても垢抜けない印象へと繋がってしまうのかもしれません。とはいえ、実際の満足度は不思議な程に高く、純粋な点数評価としてはあまり期待できないものの、その訴求力はグラン・クリュらしい水準にあるので、決して選んで損するようなことはないと思います(むしろ素直に美味しく妙に納得できる)。
長寿命系ではないものの、それでも後2〜3年でゆっくりピークを迎え、その後5年程度かけてなだらかに落ち着いていきそうな、緩やかなカーブで長く息づいていきそうな印象でもあるので、今飲んで良いというだけでなく、逆に10年以上熟成させたとしても、概ね良好な世界観を披露してくれると思います。
(2021/04)