- Good Quality -
アメリカの「ピノ・ファイル」で、2017年度の全米年間ナンバーワンのピノワインとして、850本中ベストの評価を得たのが、この2016年ヴィンテージのマクドゥーガル・ランチとなります。
カリフォルニアのピノらしい充実した密度感ではありますが、それでも赤系果実が主体となった甘旨味系の表情がベースにあり、方向性としてはエレガントな系譜寄りだと言えそうです。酸やタンニンもしっかり感じられ、多少収斂要素が気になる瞬間もありますが、それでも全体像としてはうまく纏まっています。余韻が少し短めな傾向にはありますが、それでも明確な欠点があるわけではなく、むしろきっちりと良質な世界観を構築しているとも言えます。ただ、うまく纏まっていて、大きな不満がないのにも関わらず、なぜか明確な訴求力が感じられず、むしろこの価格帯に見合うような高いエネルギー感が伝わってこないのが不思議なところだったりもします。ややメディア先行型のアイテムになってしまっているような印象でもあり、その実像としては、意外と現実的な立ち位置にあるのかもしれません。
(2021/04)