- Very Good Quality -
2012年に、ジョン・セコムが妻のターシャと創業(ファースト・ヴィンテージは2013年)。自身のミドルネームに2人の娘の存在を合わせて「ソーン&ドーターズ」と名付けています。
この「ティン・ソルジャー」は、スワートランドで栽培(植樹は2011年)されている突然変異種「セミヨン・グリ」を使って、スキンコンタクトで造られる所謂オレンジワインとなります(無清澄、古樽使用)。色調は濃く、輝きのある琥珀色となりますが、実際に飲んでみると一般的なオレンジワインのイメージにあるような「突出した個性ある世界観」とはやや異なり、クリーンかつピュアで、思いの外スッキリとしたスタイルなので非常に飲みやすくなっています。どちらかというと、甘さを感じない貴腐ワインといった方向性の方がより近いかもしれません。
かなり向き合いやすいスタイルとはいえ、それでも凛としたキッチリとした輪郭に、タンニンの収斂感など、一般的な白ワインにはあまりない要素が感じられ、加えて内包するコアは非常に複雑かつ緻密で、多様な風味を持つ要素で多層的に構成されているのも非常に印象的です。ポテンシャルも高く、ハッキリとしたビジョンと揺るぎない立ち姿を感じる世界観ということもあり、ブラインドで飲んだ場合、南アフリカの新世代生産者が手がけるワインだと気づく人はまずいないのではないでしょうか。
(2021/03)