- Very Good Quality -
エリオ・アルターレを代表する畑「アルボリーナ」で造られるネッビオーロ100%のワインには「ランゲ アルボリーナ」と「バローロ アルボリーナ」の2種類存在しますが、こちらは新樽比率がより高く、逆に熟成期間が短い「ランゲ」になります。
エリオ・アルターレらしい高純度かつ密度のある果実味に、美しい表層の質感、そしてそこから後味にかけて圧倒的な量のドライなタンニンが広がり、これぞ「ネッビオーロの極み」とも言うべき屈強なタンニンをナチュラルに嗜むことができます。タンニンは膨大で、その質感自体は渇きを伴うものではありますが、対をなす果実が非常にピュアで、なおかつ体躯全体を覆う圧倒的な瑞々しさのおかげで、この膨大なタンニンをなんの苦もなく愛でることができると言う事実にただただ驚かされます。
翌日に持ち越すと状況は一変。あれほど膨大だったタンニンがすっかり体躯に溶け込み、純粋な果実の甘みと一体となってアルボリーナとしての固有の世界観を鮮明に打ち出してくれます。さらに程よい酸味が全体をうまく引き締めてくれる傾向にあり、どこを見ても突出する部分はどこにもなく、非常に高い完成度を持つ固有の領域が素直に飲み手を惹きつけてくれます。ここまで来るともはやネッビオーロらしさ(品種の持つ個性)と言う観点での切り口は意味をなさず、ただただアルボリーナのテロワールとアルターレのビジョンが具現化された世界観が眼前に広がるのみ、といったところなのかもしれません。
バローロよりも相対的に飲み頃が早く訪れると言われていますが、実際にはかなりのポテンシャル系であり、内包する各要素が一体となった時には突出した訴求力が放たれるので、個人的にはバローロと同じようにしっかりと熟成させてから飲むことをお勧めします。
(2020/12)