- Recommended -
メンドーサの最初の地区に位置する小さな畑から造られるカベルネで、熟成はフレンチオークで9ヶ月、生産本数は56,616本となっています。
熟度が高く、漢方系のハーブ風味に、後味にかけて広がるしっかりとした酸など、明快な構成要素が緻密に組み上げられている印象です。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン100%ですが、基本的な体系や世界観としては、多くの人が想像するカベルネ像とはかなり異なる印象で、ボルドー的な伝統産地のワインとは明確な違いがあります。どちらかというと、カベルネワインというよりも、メンドーサという固有産地における地場ワインと言った印象がより強い傾向にあります。
プラムを感じるような、ニューワールド的な熟度の高さやアルコールの高さ(14.5%)は健在ですが、酸がしっかりしていることや、複雑な要素をまとめるパッケージングの良さ、そして全体を適度に引き締めるような冷涼感があることで、重さや飲みにくさと言った要素はほとんど感じられません(むしろ飲みやすい)。固有の個性を持ったスタイルなので、多少飲み手を選びそうな傾向にはありますが、造りそのものは非常に優良でポテンシャルも十分なので(コアには少し熟成による妖艶さが見え始めている)、価格帯を考えるとかなりお薦めしやすい印象を受けます。
(2020/07)