- Very Good Quality -
スキンコンタクト系の白ワインとしてはやや穏やかな傾向にありますが、それでも少しくぐもった傾向の琥珀色で、貴腐ワインを彷彿とさせるような濃密なエキス分を感じる芳香が広がります。その反面、口に含むと、カルソと言う土地のテロワールをストレートに感じる強靭なミネラル感、そしてその研ぎ澄まされた硬質感と凛とした佇まいが広がり、それらがジダリッチらしいクリーンで端的な外殻を纏って固有の世界観を生み出しています。
やや酸化熟成系のニュアンスも感じられますが、ヒネや退廃感は一切なく、むしろクリアで綺麗な表情が主体となっているので、充実した果実のエネルギーや甘み、そして後味にかけての力強いタンニンなど、果皮から得られる複雑さをポジティブに受け取ることができます。独自の個性を持ち、高いポテンシャルと充実したボディを有していますが、それでも意外なほど飲みやすく、現状ですでに美味しく飲めてしまうので、今飲んでよし、逆に熟成させてよしと、かなり懐の広いタイプとなっている印象です。
(2020/01)