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セッラルンガ・ダルバの北部に位置するクリュ「チェッレッタ」のうち、最上部にある特別な区画がこの「ヴィーニャ・ブリッコ」。非常に希少な単一畑のクリュ・バローロで、樹齢は約15年、年間生産本数は5〜6千本と極僅か。実際にヴィーニャ・ブリッコの畑を所有するのは3生産者しかなく、エリオ・アルターレの他には、パオロ・スカヴィーノ、スキアヴェンツァと、いずれもバローロを代表する生産者となっています。
エリオ・アルターレらしい現代的かつ品位を感じる仕上がりで、高クオリティなバローロ像をストレートに体現したかのような良好なパッケージングが非常に印象的です。熟度の高い旨味を伴う果実味は、10年を超える熟成で円熟味と妖艶さを身に纏い、程よく落ち着いた熟成感を垣間見せてくれます。表層は滑らかかつエレガントで、ラ・モッラを拠点とするエリオ・アルターレらしいスタイルでもあり、非常に口当たりの良いアタックを有しています。しかしその反面、内包するタンニンは力強く膨大で、決して暴れるようなことはないものの、その屈強で芯の強い資質は、まさにセッラルンガらしい要素だと言えそうです。
今回の1本の印象だと、全体像としてはポテンシャルピークの1/4歩程度手前といった雰囲気でもあり、まさに今飲むことで過不足なく存分にその全てを享受できるような印象でもあります。純粋な果実味にはやや熟成感があるものの、逆にタンニンは全くブレがなく高い堅牢性を誇っているので、純粋な寿命としては、今後数十年は余裕を持って生き続けると思います。そういう意味においては、内包する各要素のバランス面に関しては決して完璧ではないものの、それでもそのエネルギー差異をもろともしないパッケージングの良さが光るので、そこから放たれる良質な訴求力はかなりのレベルにあると言えます(ここ数年で試飲したバローロとしてはトップクラス)。
(2020/01)