- Good Quality -
標高600mの高地にある歴史ある7haの畑「フィレッタ」から造られるキャンティ・クラッシコで、畑自体はフォントディのオーナー「ジョヴァンニ・マネッティ」の従兄弟が所有し、葡萄を栽培しています。栽培はオーガニックですが、ビオ的な自然派スタイルではなく、あくまでもフォントディらしいモダンで明快な造りに、綺麗なサンジョヴェーゼの表情が上乗せされたような世界観になっています。
色調は非常にクリアで、現代的なワインとしてはそこまで濃くはありませんが、サンジョヴェーゼらしいエレガントで心地よい酸に、落ち着いた冷涼感が加わってとても端正な佇まいなのが印象的です。同時に、抜栓直後はフレンチオークの樽要素がしっかり感じられ、バニラの風味など、エレガントでありながらも濃密な要素が広がります。まさにフォントディの良質な造りが感じられる世界観ではありますが、熟したプラムのような果実の甘みがやや前面に出ている傾向にあり(ある種の濃縮果汁感)、それがわかりやすい表情を生み出している反面、サンジョヴェーゼらしからぬやや甘ったるい表情でもあるので、抜栓後に、少し落ち着くまで時間を置きたい印象でもあります(現状では翌日〜3日目ぐらいの方がよりベターな印象)。
本家フォントディのキャンティ・クラッシコとは異なる世界観(異なる葡萄の質感)ではありますが、ベースとなる部分の良質さ、そしてポテンシャル要素は十分感じられるので、早くから飲め、なおかつ熟成も可能という懐の広さなど、基本的にはとてもポジティブな印象を受けます。
(2019/09)