- Good Quality -
セパージュは、メルロー85%、ブラッククイーン6%、甲斐ノワール5%、カベルネ・ソーヴィニヨン4%。長野県の塩尻市、山梨県の甲州市、韮崎市、笛吹市の契約栽培の葡萄を使用し、12ヶ月間の樽熟成で造られています。限定醸造で、生産本数は僅か8,436本のみ。
色調は非常にクリアで若干薄め。滑らかで丸みを帯びた酒質に、少し青みを感じる茎のようなハーブ感など、国産のメルローらしい特徴が広がりますが、意外とタンニンがしっかりしていて、樽熟成ということがはっきりとわかるやや強めの苦味が後味に広がります。イメージ的には、メルローらしい表層感に、カベルネ的な指向性の堅牢感が加わっているような印象かもしれません。
ハッキリと樽を効かせたスタイルは、現代的な国際ワインではあまり見られなくなった世界観ではありますが、不思議と全体的なバランスは程よい傾向にあり、むしろ柔らかいメルローの腰をしっかりと支えてくれるので、全体像としては概ねポジティブな印象を受けます。価格的にも手が出しやすいレンジなので、良好な日本ワインの導入としてはちょうど良い一本かもしれません。
(2019/08)