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少し硬さや軋みは感じられるものの、全体的なバランス感は良好で、インクや墨汁のような凝縮した液体に、明確な酸、ネッビオーロらしいタンニン、土着的な野性味と、そつなく仕上がっている印象を受けます。酒質そのものは瑞々しくたおやかで、落ち着いたボリューム感や軽快さなど、同じネッビオーロでもやはりバローロのような重厚長命なスタイルとはやや異なります。
表層の軋みや硬さは時間とともに解れる傾向にあり、抜栓後2〜3日で完全に消え去ります。また、最終的には熟した果実と酸が一体となり、その表情には妖艶さが出始めます。当初は若干技術的側面が先行する傾向にはありますが、それ故に今からでも十分楽しめるというメリットもあり、同時に、一定レベルの熟成ポテンシャルも感じさせる内容でもあるので(本質的な葡萄力由来)、実のところ、表層から受け取れる以上の資質を兼ね備えているような印象でもあります。
(2019/07)