- Good Quality -
2004年に生まれたこの新しいワイン「ランゲ」は、モンフォルテ・ダルバのブッシアにある複数の畑から造られます。セパージュは土着品種のフレイザに、国際品種のカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローをブレンド。あまり知名度が高くない葡萄品種「フレイザ」が主に使用されていますが、ピエモンテの主要品種であるネッビオーロやバルベーラなどとはまたひと味違った表情を持っているので、このワインの持つ個性とスタイルを率直に体験して欲しいと感じます。
際立つ酸が主体となったスタイルで、紫のニュアンスを感じる梅紫蘇ジュースのような雰囲気が漂います。モダンな造りで纏まってはいるものの、その表情は野性味のある土着品種らしいものなのが印象的です。液体自体は瑞々しく、程よい飲み頃感ではありますが、表層はドライで口中には渇きや収斂感、そして軋みなどが広がるので、コアにある本質が完全に解れるには、もう少し時間が必要かもしれません(抜栓3日後まで待てば軋みは消える)。
DOCはよく見かける「ランゲ」ですが、それでも一般的な品種でもあるネッビオーロとはかなり異なる世界観なので、実際には飲み手を選ぶ世界観かもしれません。酸が前面に出ているので、単品で楽しむようなタイプではなく、あくまでも料理とともに嗜む系譜にありますが、それでも純粋な造りそのものはアルド・コンテルノらしく良質かつ質実なので、じっくり向き合うことができれば、そのポテンシャルは十二分に感じることができそうです。
(2019/07)