- Good Quality -
抜栓直後はやや揮発系のニュアンスが強めに出る傾向にあり、やや取っ付きにくく少し小難しい表情ではあるものの、それでもベースとなる部分の堅牢性や良好な構造体にかなりのポテンシャル要素を感じます。純粋な果実感は控えめで、体躯にはやや軋みを感じますが、シャトー・デ・ジャックのような良質なボジョレーを彷彿とさせるガメイの良さや、ボーヌのピノにも似た凛々しさ、そして熟成にも耐え得る質実さによって、全体像としては十分過ぎる程のクオリティを有したパストゥグランに仕上がっています。
表情がポテンシャル寄りでやや陰な気質があり、酸味が立っているということもあるので、純粋な味覚で判断すると好みが分かれそうですが、それでもワイン単体ではなく、あくまでも料理と合わせることを前提とすると、日常レベルを超える満足感が得られるのは確かなので、以前と比較すると多少価格が高騰傾向にありますが、十分お買い得感ある内容だと言えそうです。
(2019/06)