- Good Quality -
やや野性味のある赤紫の果実味に、つるっとしたテクスチャ、そして少しの収斂を伴う苦味と、キュートで心地よく飲めるスタイルがベースになっていますが、そこに十分な密度と充実感のあるボディが加わり、モダンな指向性をうまく上乗せさせたような世界観となっています。
ある意味、ボジョレーらしからぬボディの充実感が印象的で、若さ由来の硬さやフラットさを上回る傾向にあるので、結果として不思議な資質と表情を生み出しています。硬質感があるわけではないものの、鉛のような適度な軟質金属感はあるので、早くから楽しめる要素と充実したポテンシャル要素をうまく両立していると言えるのかもしれません。
ヌーヴォー以外でボジョレーを飲むという選択肢が日常であまり見られないのが現状だと思いますが、それでも千円台で楽しめる良質なワインとしての側面を鑑みると、もっと多くの支持を集めても良さそうな印象があります。
(2018/12)