- Very Good Quality -
10年経過してるとは思えないほどの強靭さが印象的で、強い苦味と渋みを持つ際立ったタンニン、そしてそのタンニンと双璧を成す強めの酸が主体となった、古典的な世界観が色濃くなったポテンシャル系バローロに仕上がっています(今後10〜20年程度は軽く熟成しそうな印象)。この両要素が前面に出ているので、果実味はかなり控えめかつ小ぶりな印象を受けますが、実際にはクリッとした固めの輪郭を持つ、熟度の高い凝縮した果実味をコアに内包しています。
翌日に持ち越すと滑らかな酒質へと変化し、全体的な表情が落ち着くことで果実ベースの甘味を感じやすくなる傾向にありますが、それでも相対的にタンニンと酸が強めなので、純粋なバランス感としてはやや難があるのは確かです。決して点数として高い評価を得るタイプではないものの、それでもネッビオーロという葡萄品種の持つ個性、そして長命とされるバローロの真髄をこの価格帯のアイテムでも感じ取れるという事実はかなりポジティブなので、その存在価値はかなり高いと言えそうです(口当たりの良いモダンなワインとは対極の存在感)。
(2018/11)