- Very Good Quality -
アルザスという地で、ビオディナミ(複数の認証を取得済み)を実施する自然派の造り手が「チュスラン」。天然酵母で発酵を行い、補糖や補酸なども一切行っていません。
ややアンバーがかった濃いめの黄金色で、その見た目や広がる香り、そして最初の一口目の印象から、貴腐ワインを彷彿とさせる密度の高いエキス分がダイレクトに伝わってきます。優しくも充実した果実味が印象的ですが、決して明確に甘いと感じる訳ではなく、むしろボディ全体を引き締めるミネラル系の硬質感や、後味にかけて明確になる良質な酸のおかげで、小気味好い切れ味でスッと収束していきます(表記はVin sec 1で完全に辛口)。
久しぶりのチュスランでしたが、良質なヴァン・ナチュールらしく時間とともに広がっていく傾向にあり、最終的には当初想像していた以上のポテンシャルを発揮してくれます。ピノ・グリらしい品種の個性が楽しめるタイプではありませんが、それでも現実的な価格帯を維持しているのも素晴らしく、純粋なコストパフォーマンスに関してもかなり高い評価が得られそうです。
(2018/10)