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クリアながらもハッキリとしたサーモンピンクの色調がとても綺麗で、非常にニュートラルな性質を持ってはいるものの、全体を通してバランスのとれた端正かつ素直な表情が印象的です。ニューワールド的な濃密さやインパクトはありませんが、やや控えめなボディの内部にしっかりと存在感を放つ芯があり、その内面から明確な力がじわじわと染み出してきます。しっかりとした酸も印象的で、雑感や収斂要素のない滑らかな赤系果実の表情がストレートに訴求してきます。
正直なところ、構成要素や個性はいたって現実的で、純粋な点数評価としてはそこまで高いものが望めるわけではありません。なので、テイスティング的な飲み方をした場合は、もしかすると可もなく不可もなくといった水準の判断が下されるかもしれません。しかし、このワインはまさに「食中酒」としての存在感が圧倒的で、日々の食事と合わせて飲むことで、その魅力は数倍にも広がり大きく開花します。年々需要が高まるロゼワインですが、その本質をうまく捉えた見事な存在感だと言えるので、現実的な価格で購入できる良質なロゼの存在は、その価値をさらに高めてくれそうな印象を受けます。
(2018/10)