- Very Good Quality -
バルベーラらしい綺麗な酸味を感じさせながらも、より万人に対して明確に訴求する指向性で仕立てられている傾向にあり、丸く豊かなボディには多少妖艶さも感じられ、樽熟成(バリックで12ヶ月間熟成)によるゆったりとした佇まいが良好な世界観を構築しています。
全体像として、ブルーノ・ロッカらしい凛とした整った表情にはより磨きがかかっている印象ですが、抜栓直後は樽要素がより前面に出ていることから素直に飲みやすく、逆に翌日以降に持ち越すことで本来のバルベーラらしい酸が主体となるので、飲み手の好みやイタリアワインに対する理解度によってコントロールできそうな印象でもあります。
手放しに全てを絶賛したくなるような完成された世界観とは言えませんが、それでも確実に品質を向上させてきている印象があり、ブルーノ・ロッカという造り手に対する評価を再度改めたくなるというのが正直なところです。少なくとも、このクラスのワインに求める水準は軽くクリアしているのは確かで、なおかつ将来的なポテンシャルに関しても十分なものが認められるので、日常で飲むワインとしては非常に贅沢な内容だと言えそうです。
(2018/09)