- Good Quality -
パリにあるワインバー「Juveniles」のオーナーであるティム・ジョンストンに提案され、彼のためにグルナッシュ、マタロ(ムールヴェードル)、シラーズをブレンドしたワインを造り始めます。今回の2015年は、グルナッシュ51%、マタロ33%、シラーズ16%というセパージュ比率となっています(樹齢は40〜150年)。
トルブレックの中では珍しく、定期的にラベルのデザインが変更されているアイテムになりますが、2015年は他のキュヴェと同様のシンプルな白地ラベルになっています。
トルブレックらしい充実した果実の魅力もさることながら、何より感じるのがパッケージングの良好さ。以前のような果実爆弾的なスタイルからはやや変化が見られ、あくまでも全体像を捉えつつ、各構成要素をうまく生かしているような印象を受けます。若々しいフレッシュさを維持し、その中に凝縮した果実の魅力や軽快な爽やかさ、そして高アルコール系の辛味など、多様な要素をうまく取り入れています。純粋なバランス感そのものは特別秀でているわけではありませんが、多少尖っていても全体的なパッケージングでうまく纏めてバランスをとっているような印象でもあり、現代的な水準でしっかりと酒質をコントロールしているとも言えそうです。
まだ若いヴィンテージなので、抜栓日はややアルコールが立ち気味で鋭さが多少先行しますが、2〜3日経過させると心地よい落ち着きを見せ、角の取れた丸みのある体躯やハーブのアクセントなど、魅力的なグルナッシュのワインらしい心地よい表情が広がります。溌剌とした元気でフレッシュなワインを好む場合は今すぐ飲み、逆に落ち着いた表情や柔らかくたゆたう物腰を好む場合は2〜3年熟成させるなど、飲み手の好みによって調整できそうな印象でもあります。
(2018/08)