- Good Quality -
南仏で造られるピノ・ノワールという一風変わったワインですが、良くも悪くも一般的なピノ・ノワール像とは大きく異なる世界観になっています。
プラムを感じる凝縮した果実味が感じられ、青紫から黒系のニュアンスが広がります。表層は端的に磨き上げられたような滑らかかつ艶やかですが、その内部は充足感に溢れ、アタックはハイトーン系の清涼感ある軽快さが感じられるものの、そこから高アルコールらしい辛味、そしてエスプレッソのような強い苦味が余韻として広がります。
全体像としては、どことなくローヌ北部のような雰囲気でもあり、やはりピノ・ノワールで造られたワインというよりは、暑い地域で造る冷涼感を生かしたワインといった内容です(ブラインドだとピノとはまずわからない)。南仏らしいエネルギーに溢れるものの、辛味と苦味がやや立っているので、若干飲みにくい傾向にあるのが残念なところですが、抜栓後3日程度経つ頃にはかなり酒質も落ち着いてくれたので、バランス面の問題については時間が解決してくれるのかもしれません(期待込み)。
(2018/08)