- Good Quality -
2011年に誕生した新しいアペラシオンが、この「コトー・ブルギニヨン」。シャブリからボジョレーまで、広大なブルゴーニュ地方の葡萄を自由にブレンドできるというのが最大の特徴ですが、エミリー・ジャンテのコトー・ブルギニヨンは、ピノ・ノワール80%にガメイ20%というブレンドで造られています。
やや野太い酸と野性味が印象的な野いちごの果実味がストレートに伝わり、全体を通して甘酸っぱい表情が主体となっています(酸が苦手な人は翌日に持ち越す方が無難かも)。一般的なピノ・ノワールのような優美さはなく、セパージュ比率以上にガメイっぽい印象を受けますが、角は丸いものの充足感のあるボディを有しているので、ガメイの代表格とも言えるボジョレーのワインとはかなり印象が異なります。造りそのものはジャンテ・パンシオに共通するスタイルで、密度感とやや硬めの資質を持つ堅実な素性ですが、既に6年経過していることもあってか、多少酸に退廃的な雰囲気が感じられる傾向にあります。それ以外の要素はしっかりしていて、表情そのものはいたって鮮明なので今だけでなく今後も十分楽しめますが、根本的にこれ以上熟成させる必要性はないので、全て飲みきってしまっても特に問題なさそうです。
(2018/07)