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角の取れた丸みのあるボディに、穏やかながらも綺麗に沁み渡る酸と心地良い果実味が一体となり、全体を通して安定的に魅力ある表情を造り上げています。ボディには必要な充足感がしっかりあり、モンテプルチアーノらしいキュートさも程よく感じられます。抜栓日は果実そのものの充足感の方が印象的すが、翌日に持ち越すことで酸がより前面に出る傾向にあり、時間をかけるほどにイタリアワインらしい魅力を反映させたような表情へと推移していきます(全体的なバランス感は安定)。
上級キュヴェのような圧倒的な世界観ではないものの、それでもクラスを大きく超えるような良好なパッケージングが非常に好印象で、以前のヴィンテージと比較しても技術的な進歩がより明確に反映されている印象を受けます。季節やシチュエーションに影響されにくく、幅広い場面で高い満足感が得られそうな立ち振る舞いでもあり、このような形で低価格帯のワインがしっかり進化していけば、積極的に飲みたい良質な日常ワインとして、消費者の裾野を大きく広げてくれるありがたい存在になってくれそうです。
(2018/06)