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ジローラモ・ルッソは畑や区画違いで4種類の赤ワインをリリースしていますが、このサン・ロレンツォは標高が最も高い位置(750m)にある畑となります。セパージュはほぼネレッロ・マスカレーゼで、ごく僅かにネレッロ・カップッチョがブレンドされています。
ア・リナと同様に、ジローラモ・ルッソらしい緻密で鮮明な魅力を持った果実味がコアに位置していますが、その周囲に構築されたボディの構成要素がより質実で、全体的に格上のワインらしい品位ある佇まいが具に感じられます。熟した果実の甘味や旨味だけに頼ることなく、微細な構成要素や上質なハーブ風味をアクセントとし、それでいて全体像としてはエレガントで流麗な指向性をしっかりと打ち出しています。数値的には15%と非常に高いアルコール度数を誇りますが、瑞々しく心地よいコアの力もあってか、終始心地よく飲み進めることができるので、アルコールの高さは全くといっていいほど苦になりません。まさに土着品種のネレッロ・マスカレーゼと、高い標高が特徴のエトナという土地が生み出す個性をしっかりと具現化している印象でもあります。
(2018/06)